今密かに人気が高まっているのが、ビーツという野菜です。
今回の記事では、ビーツを種から植えて、苗にして収穫をするまでにはどんな事を注意しなければいけないのか?という点について、ビーツ栽培初心者の方でも分かるように、詳しく解説していきます。
この記事を読んで、ビーツの苗をうまく育てましょう。
ビーツとはどんな野菜なのか?

ビーツとは地中海原産の根菜で、カブや大根に似た植物です。食感なども似ていて、多くの煮物料理に使いやすい野菜となっています。
ビーツの中身は真っ赤な色をしていて、ウクライナ料理のボルシチに使われていることで有名です。
アカザ科のサトウダイコンの一種とされていて、ほうれん草の仲間の根菜の部類です。
栄養価としてはカリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、葉酸、食物繊維、ビタミンB1、B2、B6、ビタミンCを主に含んでいて、高い栄養価があることでも有名です。
特に葉酸は胎児の発育に重要な栄養素で、妊娠中の女性にはビーツを食べることが大変おすすめです。肉体疲労にも効果があるかもしれません。
ビーツの苗の育て方

では、そんなスーパー野菜の「ビーツ」を自宅の家庭菜園で育てるには、どんな方法を取ればいいでしょうか?流れを順に追ってご紹介します。
①土づくり
ビーツの苗を健康的に育てていくためには、適せつな土を作ってやる必要があります。
ふかふかの有機物が沢山繁殖している土を作っていきましょう。
畝幅は70cm畝の高さは10cm種まきの感覚は15cmになるように、育てたいだけの広さを確保して、畝たてを行いましょう。
畝たてをする際にぼかし肥料を1㎡あたり200gから300g撒くのがコツです。
②種まき
畝たてが終わると今度は種まきです。
種をまく時期は春と秋になります。
春は3月から5月に種を植え6月から7月に収穫です。
秋は9月に種を植え12月に収穫できます。このタイミングに合わせて、土づくりを行っておくのが大切です。
適している気温は15℃から20℃で、あまり気温が高い時期はビーツの育成に適していません。
ビーツの種は、かたい殻の中に数粒入っていて、それを15cm間隔で土にすじまきをします。
種をまき終えたら、防虫網トンネルを設置するか、マルチを設置して害虫対策をしていきましょう。
このトンネルは、収穫の時まで必要なので設置をきちんとしましょう。
③間引き
そのまま育てると1つの種から数本の苗が育ってくるはずです。
苗が10cm程度に育ったら、大きい方の1本だけに間引いてしましましょう。
ここできちんと間引かなければ、大きな苗にはなりません。
④追肥
根をしっかり太らせるためには、追肥をしなければいけません。
半月に1度の割合でぼかし液肥を撒きましょう。
ぼかし液肥は、1Lのペットボトルに1掴みのぼかし肥料を入れ、水を入れて2から3日置いて使います。
使い方は、上澄み部分を100倍に薄め、土に散布していきましょう。追肥を行う事で、さらに苗は大きくなるはずです。
⑤収穫
段々と成長してくると、いよいよ収穫です。
土から出ているビーツの型の部分がしっかりとしてくると、収穫時なので、土から抜き取りましょう。
丸々と太ったビーツが収穫できるはずです。
ビーツはあまり長く畑に置きすぎると、根が割れてきてしまうので大きくなったら採り遅れない事が重要です。
ビーツに発生しやすい害虫を紹介

ビーツは良い土壌環境で育てていれば、病気の心配はほぼありません。
しかし害虫対策は必要です。ビーツに食害を与えるのは「ヨウトガ」で、昼間は土の中に隠れていますが、夜になると地上に現れ、苗を食べ始めてしまいます。
ヨウトガに大切な苗を食べられないように、防虫網トンネルの設置を忘れない様にして下さい。
これを疎かにすると、ヨウトガに一気にカブを食べられてしまうでしょう。
初心者はこのビーツを育てよう!
ビーツには様々な品種があります。
ここでは、ビーツ栽培初心者の方でも簡単に育てやすい品種を集めてきたので、ご紹介していきます。
①デトロイト・ダークレッド
おすすめのビーツの品種1つ目は「デトロイト・ダークレッド」です。
こちらの品種は病気や害虫に強い初心者の方に最もおすすめの品種です。
根だけでなく葉や茎まで赤色に染まります。
比較的柔らかい品種で甘みも強いため、酢漬けやサラダにも使えますし、煮込み料理にもピッタリでしょう。
②ゴルゴ
おすすめのビーツの品種2つ目は「ゴルゴ」です。ゴルゴはカブのような見た目の根がなる品種です。
横向きにスライスすると木の年輪の様な紅白の模様が現れるため、薄くスライスしてサラダの彩に添えるのがおすすめになります。
③ソーレ
おすすめのビーツの品種3つ目は「ソーレ」です。
ソーレはかなり甘みの強い品種となっています。
根から葉、茎までが深めの赤色をしていて、肉質も柔らかい品種です。
薄くスライスするとサラダにピッタリの根が採れるでしょう。
生でビーツを食べたいと思われている方には、おすすめの品種でしょう。
ビーツはどうやって食べるのがおすすめなのか?

ビーツは、地中海原産の根菜なので、日本人にはあまり馴染みがありません。
日本では茨城県や栃木県で栽培をされていますが、作られる量もわずかな為、あまり市場で見かけることはないのではないでしょうか?
そんなビーツは、どうやって調理して食べるのがいいのでしょうか?
いくつかの方法をまとめてみました。
①生でサラダにする
ビーツの食べ方1つ目は「薄くスライスして生で食べる方法」です。
前述した通り、元々甘みが強い品種のビーツは、薄くスライスするだけで生でサラダに入れることが可能です。
ただし、ビーツというのは基本的に特有な土臭さがある根菜なので、全くの生で食べるのはあまりおすすめではありません。
サッとゆでてスライスしてサラダに入れた方が、美味しく頂けるはずです。
②茹でてスープにする
ビーツの食べ方2つ目は「茹でてスープにする食べ方」です。
この方法がビーツの最もポピュラーな食べ方となっています。
ヨーロッパ地方やロシア地方では、ビーツを日常的に食べる習慣がありますが、殆どの場合は「スープやポタージュにして煮込んで食べる」ことばかりです。
有名なウクライナ料理の「ボルシチ」も、沢山の野菜とビーツを一緒に煮込んだ料理になっています。
茹でて火を通すことで、ビーツの中に含まれるオリゴ糖が甘みを増し、非常に食べやすく変化するのです。
もし、ビーツを食べられたことが無いのであれば、まずは煮込んでスープにする食べ方を試されるのがおすすめです。
③蒸し焼きにする
ビーツの食べ方3つ目は「蒸し焼きにして食べる方法」です。
ビーツはホイルでくるんで蒸し焼きにすることで、ほくほくのジャガイモの様な触感に変わります。
作り方は、アルミホイルにオリーブオイルを敷き、その上に皮のままのビーツを置きます。
さらに上からアルミホイルでビーツを包み込み、そのまま180℃のオーブンで10分程度焼いてみましょう。
ほくほくの真っ赤な蒸し焼きビーツが出来るはずです。
ビーツを料理する際の注意点とは?
では、ビーツを調理する際の注意点をいくつかご紹介いたします。
①茹でる時は皮はむかずに茹でる
ビーツを茹でる時は、皮をむかずに茹でましょう。
ビーツの中に含まれる色素や、栄養分はお湯の中に溶けだしてしまうものばかりです。
茹でた後にビーツだけを食べるのであれば、皮はむかずに茹でることをおすすめします。
もし、栄養素も一緒に採りたいのであれば、スープ料理などに使うことをおすすめします。
②葉や茎も食べることが出来るので安易に捨てない
ビーツの葉や茎は食べることが出来ます。
パスタの中の具材に使ったり、ご飯と混ぜて盛り合わせても美味しいです。
葉や茎にも栄養分はたくさん含まれるので、安易に捨てないようにすることをおすすめします。
③生での調理は始めは控える
ビーツは生で食べると独特の臭みがあるので、始めから生で食べることはおすすめしません。
品種によっては、生で食べることに向いている品種もあるので、生で食べたい場合はその品種を選ぶようにしましょう。
沢山の野菜やお肉と一緒に煮込んで食べる方法が、最も簡単な調理方法です。
まとめ
というわけで、今回はウクライナ料理でよく使われるビーツという根菜の苗を育てるには、どんな方法がいいのか?というテーマで記事を進めてきました。
種まきの準備から、実際の収穫、食べ方の方法までご理解いただけたのではないでしょうか?
早速ビーツの種を購入して、あなたもビーツ栽培を楽しんでみられることをおすすめします。
家庭菜園でも簡単に育てやすい野菜です。